釣りの話じゃなくて申し訳ないが、僕の身に最近起こった出来事と、それに付随して昔の仕事について、何回かに分けて書いてみたいと思う。
3週間ほど前、元職場の上司から職場復帰の誘いが来た。その上司にはとてもお世話になったし、30年近くやってきた仕事ということもあって、復帰しようかどうか散々迷った。けれども、結局辞退させてもらった。
30年近くやってきたその仕事というのは、競走馬の世話をするJRAの「厩務員」。
博打的な要素が強くて、仕事的にもおもしろく、所属する厩舎や世話をする馬(競走能力が高い馬)によっては、新人でも年収2000万も夢ではない。
ただ組織というのは、人を育てるのも仕事の1つだとも思うので、まだ経験の浅い新人が、ポンと大きなお金を稼ぐ可能性がある競馬の世界のシステム(恵まれているJRAに限ってだが)は、疑問に思うこともあった。
15の年から競馬の世界に入って、好きで馬にかかわる仕事を続けてきたが、その間、醜い部分もたくさん目にしてきた。馬が好きだった分、辛いことも多かった。
しかし大きなレースを勝つようになり、大金を手にするようになると、それに比例して、馬に対する愛情も徐々に薄れていったように思う。
ある時、そんな自分に気付いて、自分自身が嫌になった。自分なりに考えた末に、2年少し前に厩務員を辞めた。
そして第2の人生は、幼い頃から親しんできた「釣り」を生業にしたいと思って、ネットショップ「ノーザンレイク」を始めたのだった。
今年3月に広島県の福山競馬場が廃止されたが、昨今、地方競馬場が次々と廃止になっている。
競馬場が廃止になると、そこにいた馬たちのその後が問題となる。他の競馬場に移籍できる馬はまだ良いが、行き先のない馬たちは、肉になるために馬運車で運ばれていく。昨日までファンの前で走っていた馬たちが、翌日には肉になるために去っていくのだ。その話を耳にした時に、自分がやってきた仕事は本当に正しかったのだろうかと、改めて疑問に思った。
・・・次回につづく。
スポンサーサイト